パックラフトでソロの四万十川

+キックボードで、源流から河口まで辿った2023年秋の記録。

なぜ釧路川か。

 北海道在住、および北海道に気軽に旅行に行けるような金銭的にも休暇的にも裕福な皆様からすれば、「そりゃ釧路川、カヌーやるものとしては川下り対象として面白いからにきまってるからでしょ。瀬も少ないし。終了。」で済まされてしまう内容かとは思うのですが、いままで単独で、かつ経験者の同行も無しに川下りをしたことすらないズブノシロートとしては、一大決心だったんですよ。釧路川

 皆さん、釧路川っていうと、どういうイメージを思い浮かべます? 広大に広がる釧路湿原。そこをぬうように流れる、ゆったりとした釧路川。カヌーで流れるまま間にまかせ、日本最大の湿原にして、日本で最初にラムサール条約に指定された大自然インタラクティブに体感する...。嗚呼、生きもの地球紀行(NHK)。

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 なんてあたりを漠然と思い浮かべたりするのではないでしょうか。するに決まってますよね。わたくしは少なくともそんな感じで、テキトーかつアバウトに、「いつかは釧路川」などとカローラ、コロナ、マークIIとのりついで最終的にクラウンを目指す清く正しい日本のおじさん的に将来の目標の一つとして持っていたわけですね。

 ちなみにちょっと脱線しますと、私のこの目標は、とあるブロガーさんに感化をうけて「死ぬまでにやりたいこと100」というリストの最初のほうに列挙していたものになります。参考までにほかのものをいくつかご紹介しますと、

  • 社長になる
  • ドイツで朝からビールを飲む
  • 露天風呂付部屋に泊まる
  • 自分の部屋を持つ
  • 50歳までに30か国訪問する
  • すし屋でおまかせで寿司食べる
  • ヘリスキー
  • 歩いて一泊二日くらいかかる野湯にいく
  • 樹齢100年以上の桜で夜桜宴会
  • 色弱用メガネゲット
  • 本を出版
  • 遊園地のアトラクション全部のる
  • 現地調達した天然食材で調理

 など、われながらある特有の傾向があり「お前その程度で死んでしまって満足なのか」という発想の貧困さに自責の念に駆られたりもするのですが、それよりなにより悲しいのは、書いたはいいものの一つもかなえず死を迎えてしまうということですよね。ということで、とりあえず健康診断とかで胆のうポリープとか高コレステロールとかいろいろD判定がついているものの「おまえ冒険禁止」とか言われていないうちに、ひとつくらいは体を張る系の項目を達成しておこうかな、と思った次第であります。

 あと、わたしが現在勤務している会社では、幸運なことに勤続5年ごとに「サバティカル」という制度で、1か月程度休暇を取得する制度があります。今年がその節目の年で、あれがいいなーこれもいいなーと夢見る乙女(死語)を1年くらい前から演じていました。ちなみに私の職場は家庭を顧みないオトコマエな人ばかりで、ご家庭には「仕事の出張で1か月海外に滞在」などと伝えつつご自身は私用で某国で1か月バカンス、などという人も少なくなかったりしますが、わたしにはそのような根性はまるでなく、ふつーに家族同行で八重山滞在2週間、なんてのを計画実施しました。

 しかし。今回はそれだけではいかん! 俺もう明日にも死ぬかもしれんし(まだ健康診断結果的には大丈夫そうですが)会社クビになるかもしれんし(いつなってもおかしくない状況です)、やれるときにやれることをやっときたいんですよ! 時には俺もオトコだ! 止めてくれるな! 探さないでくれ! あ、でも子供の手間が減る平日限定の月-金5日くらいで、電波の届くところにはおりますんで、そこんとこひとつ....、などと鋭く激しく家族会議で交渉を重ね、ようやく追加の5日間を勝ち取り、釧路川行きを確保した次第です。

 ということで、ここでわたくしのスペックをご紹介しておきます。

  • 40代中ごろ。身長174cm、体重70kg。
  • 普段の運動はほぼ皆無。数か月に一回、家族で山登りするくらい。
  • カヌー川下り経験は、毎年ゴールデンウィークに長野県安曇野市の「よろずい川+犀川」をグループで、アルフェックやインフレータブルで下ってます。
  • あとは、魚野川、天竜川、千曲川あたりを少々。
  • つまりは、たいして経験豊富でもなければ体力もない、ほぼシロートです。

 前置きが長くてすみません。次回は、今回の旅行に使用した道具たちをご紹介しようと思います。