パックラフトでソロの四万十川

+キックボードで、源流から河口まで辿った2023年秋の記録。

♪夕日が背中を押してくる~

[2018年10月15日]

15:30 - 18:00 摩周駅 - 摩周大橋

 

さて、摩周駅に降り立ちました。予想通りというか、想像以上というか、何もないというか、誰もいません。駅で降りた客も2-3人くらいで、すぐにどっかに立ち去ってしまい、残されたのは私のみ。かくいう私もゆっくりはしていられません。なにしろ、もう3時半なんですから。

 ふつーの関東在住のひとなら、「は? 10月中旬の3時半でしょ?そんなにあせる時間でもないのでは?」とお思いかもしれませんが、そんなあなたにはこのアプリを贈ります。

play.google.com基本潮の満ち引きを調べるアプリですが、おまけで日の出、日没なんかも調べられたりします。これで調べると、関東あたりの10月中旬の日没は、ご指摘の通り5時半位なのですが、釧路市あたりを調べるとなんと4時半頃。1時間近く差があるのです。つまり関東の気分で何も考えずに「どうせ暗くなるまで時間あるし~」と余裕ぶっこいていると、ヘッドライトの明かり一つでキャンプ地を探し回る羽目になるということですね。

 まあ、もともとはこの日のうちに屈斜路湖畔の和琴半島キャンプ場まで行くべく、短い乗り換え時間でバスに乗り継ぐという強行日程を組んでて、日没ギリギリに和琴半島につく見込みではあったのですが、前回書いた通りそれはもう諦めていたので、それほどタイトな日程ではないはずなんですけどね。

 とはいえ、「なんだ摩周で買い物すればいいじゃん」と割り切ってしまったので、出発前に計画していた釧路駅近辺での買い出しをサボってしまったがために、この摩周駅到着から日没までの限られた時間で、スーパーまで徒歩で移動し、今日明日くらいの食材と、なにより大事なガス缶を調達し、さらに摩周大橋のたもとまで移動してキャンプ地を確定させる必要があります。結構しんどいですね。

 ということで、ガツガツと移動開始。最初のころに紹介したとおり、持参したザックはホグロフスのダッフルバックなので、背負うベルトはあるものの決して快適なものではありません。腰のサポートなんかもないですし、パドルとかライジャケは無理やり外側に装着してありますし、はたから見るとちょっとテンパってる山下清みたいな感じです。

 Google Map先生的には、徒歩15分程度で地元の人御用達の「スーパーフクハラ」まで到着できるはずだったのですが、早速先生のトラップにはまり、言われた通りの徒歩ルートを突き進んでいくと5分程度で道がヤブに消えてしまいました。(上記張ってあるリンクは正しいルートにしてあります) やむをえず、線路を挟んで反対側に見えた車道までヤブを漕いで強行突破。まさか駅から徒歩数分でヤブ漕ぎすることになるとは思いませんでした。

 そして寂れた地方集落の民家の間の道路を歩きぬけていきます。何と言いますか、日没迫る夕暮れの、その日の宿泊地も定まらない中、重くみっともない荷物を背負って早歩きする不安感、孤独感、焦燥感。ヒリヒリする感じ。数十年来忘れていた感覚です。最後にこれを感じたのは、以前も書いた、ヒッチハイク旅行で埼玉から長崎まで行ったときだったなあ、と歩きながら思い出しました。

 しかしまあ、考えてみればわたくしも軟弱化したもんです。当時は長崎まで一週間弱かけて移動したわけですが、当然ヒッチハイクなんで何の計画も立てられず、その日その日でどこまで到着でき、どこで寝るかもさっぱり分からなかったわけですが、別段なんとも思わなかったように記憶しています。

 その後月日は流れ、そのような無計画な旅行とは無縁の人生になってしまい、特に家庭持ちになってからはろくに自分で旅の計画すら行わないようになってしまいました。(Oku-sanが手配系に長けているのもあります) それに今はなんでもネットで事前に調べられますしね。

 つくづく、計画が崩れたり、予定が立てられないことに臆病になっているんだなあと感じさせられます。そして、何より、自分だけのことを、自分だけで決めて、自分だけで行動する、ということも記憶がないくらい久しぶりのことでした。ちょっといろいろ、忘れていたことを思い出したほうがよさそうですね。

 未知なものを恐れない。
 でも可能な対策は用意する。
 これでしょ。

 まあ、いろいろ自己反省の世界に浸っているようで、結局外見からはただのガツガツ歩いている山下清なんすけどね。ということで、無事4時前にスーパーフクハラに到着。

 株式会社 福原

 事前の皆様の評判では、いろいろ独特の販売物があっておもしろい、みたいなことが書かれてたんですが、私の端的な評価としては「Below Expectation」です。まず生鮮の半数が冷凍。いや北海道だろう、どうした、もっとこう...あるだろう!! みたいな感じです。まあどうせ、売られたところで調理する時間もないんですけどね。総菜もかなり寂しい感じ。ただ唯一気になったのは、「揚げ物フェア」で「鶏のから揚げ」と「ザンギ」が並べて売られていたところです。

www.hokkaidolikers.com その辺は、まあスルーパスして、とりあえず時間もないことですし今日明日分の食材として簡易鍋セット、ザンギ、ビール、パンなどを購入してさっさと撤収。あとなにより大事なガス缶がなんと、「3本セット」しか売ってないというトラップが。3本入りガス缶の前で鬼の形相で悩むこと1分間(はたから見ると実に謎なオッサンですね)、一か八かでレジを済ませてはす向かいにあるローソンに移動。無事1本単位で発売しているガス缶をゲットすることができました。

 この時点ですでに4時20分くらい。だいぶ西日も傾いています。スーパーマリオの煽りBGMが耳元で鳴り響く中、ガツガツ山下清は小走り山下清になって、なんとか摩周大橋まで移動しました。でも結局、スーパーからは徒歩10分くらいでつきましたね。案外便利な立地です。

 この摩周大橋、人によってキャンプしている(してよいところ)の情報が違うのですが、今回の場合、何人かの人がキャンプしたと書かれていた橋の下流に向かって右側、公園の近くの岸が工事中で入れなかったため、橋を挟んで反対側の林の中に、何とか道路の喧騒から少し離れられる場所を発見。ぎりぎり日没前に、幕営地を確定させることができました。

dic.nicovideo.jp しかしここはまあ、キャンプして良いというか、黙認みたいな感じですよね。決して推奨とかバッチコイという感じではない気がします。とはいえ、目の前に道の駅 & 日帰り温泉完備という、できすぎた環境です。早速テントを設置して、温泉に突撃。

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 日帰り入浴400円、夜9時まで。人生の幸せ、っていうのは、こういうのをいうんですよみなさん。予想外の上質ぬるぬる系アルカリ泉。宿のおばちゃんの「今日は月が細くてきれいですね」というポエミーな発言にも無駄に感動したりしていました。

 もちろんその後の鍋&酒も堪能。暖房の聞いた道の駅のトイレで歯磨きを済ませ(トイレの手洗い以外に使うなとか警告が書かれてますが)、足湯であったまってから初のソロテントで就寝。いろいろありましたが、実に充実した初日でありました。

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