パックラフトでソロの四万十川

+キックボードで、源流から河口まで辿った2023年秋の記録。

「試される大地」出発前から牙をむく

さて、ようやく旅の記録の本題に入っていきたいと思います。冒頭に紹介した通り、秋のこの時期に釧路川を下ること自体は、今年の春先に決めていたので、取り急ぎ航空券だけ確保してしまいました。

skyticket.jpたしか、5月頃のスカイチケット経由でのAIR DO便の購入で、往復で2万5千円程度だったと思います。行きの早朝、帰りの夜便を選んだこともあるかとは思いますが、いやー安いですよね。仕事でよく大阪出張が入るんですが、新幹線で東京-新大阪が往復で3万円程度ですよ。大阪に行くよりも安く釧路に行けてしまうという幸せ。

 で、順番的に少しおかしいのですが、そこからようやく釧路川の日程詳細を練り始めました。大枠では、レンタカーを借りて車行動にするか、鉄道+バスの公共交通機関行動にするか、です。もちろん楽なのはレンタカーなんですが、せっかくソロで、かつ船旅ができるというのに、毎日回送の日々というのも風情がないので、思い切って鉄道+バスをチョイス。もちろんコストダウンにもつながりますしね。

 ところが、この鉄道+バスというのが、学生を卒業してからひたすら車移動の旅行しかしたことのなかったものにはしんどい。事前に、必ず時刻と接続を確認しておく必要があります。

屈斜路線 [摩周営業所⇔札友内⇔和琴半島] | 阿寒バス株式会社

 先のページで紹介したブログの皆様も、誰一人として釧路空港におりたって、出発点の屈斜路湖まで鉄道+バスで移動したぜ! という人がいません。特に、摩周駅(旧弟子屈駅)から上記の通り、バスが出ているはずなのですが、皆さん、ツアーカヌー業者に送迎を依頼しています。

 では、俺が最初の人になってやるぜ! (そんなわけもないのですが) ということで、下記の通り日程を組みました。道中の日程は、皆さんのブログを参考に、塘路湖で一泊するなど少しゆったり目のものとしました。

往路
 07:45 - 09:25 羽田 - 釧路空港
 09:50 - 10:30 釧路空港 - 釧路駅 バス
 14:14 - 15:30 釧路駅-摩周駅 鉄道
 16:00 - 16:35 摩周駅-和琴キャンプ場 バス

道中
 月 和琴キャンプ場泊
 火 和琴キャンプ場:屈斜路湖→摩周大橋
 水 摩周大橋→開運橋
 木 開運橋→塘路湖
 金 塘路湖→細岡

復路
 15:04 - 15:36 細岡-釧路駅 鉄道
 17:10 - 17:55 釧路駅-釧路空港 バス
 18:40 - 20:25 釧路空港 - 羽田空港

 ここで問題となるのが、往路の摩周駅からのバスの乗り換えです。和琴キャンプ場まで行ってしまうと、現地にはスーパーなどが一切ないため、事前にガス缶や食料を買い出ししておく必要があります。

 さらに、当時はまだパックラフトを使うことを決めておらず、他の選択肢としてアドバンスドエレメンツのファイアフライというインフレータブルか、モンベルのファルト、アルフェック430Tのどちらかを使用することも検討していました。

 いずれにせよ、これらの場合重量は20kgを超え、とても航空機で手荷物預けなどすることができないサイズとなり、事前にどこかに送っておく必要があります。都合のいいことに、摩周のバスターミナルは隣に郵便局があるということで、そこの局留めで送るという選択肢が使えました。(野田知佑さんの時代は駅宛で送っていたらしいですが、今それをやったら摩周駅はパンクしてしまうでしょう)

 問題は、やや駅から離れているこのバスターミナルまでの移動+カヌーの受け取りが30分以内に終わらせられるか、というところなんですが、まあそこはでたとこ勝負かな、ということで。というか結局最終的には、身軽さを選んでパックラフトにしたんで、これらの心配はいらなかったんですけどね。

 まあとにかく、いろいろと計画することが苦手なわたくしにしてはずいぶんと綿密な計画を立てたものです。川下りの技術はともかく、旅の計画そのものはバッチリだぜ、ふふん、ちょろいな釧路川ソロ旅も...などと早くも油断する姿を見せたわたくしを、「試される大地」が見逃すはずもありませんでした。

 出発前々日くらいになって、各種荷物詰めも終わり、さあ万全だぜ、と思いつつふと釧路川、カヌーのキーワードでググっているうちに、今まで目を留めなかった北海道開発局のサイトで川地図を配っていることに気づきました。早速ダウンロードして開いてみると、甘チャンなわたくしを華麗に打ちのめす文面が。

★摩周大橋から瀬文平橋までカヌー航行禁止
工事区間、危険箇所あり

軽やかに踊る赤文字、ギザギザ吹き出しデコレーション。さらにおまけに、右には赤箱で、

★カヌー転覆事故多発
 H30.6 カヌー流失
 H29.7 カヌー流失

という一口メモまで。いや、別にこの瀬だけでなく、源流部の土壁だってカヌーの墓場とか言われてるだろう、とツッコミたいところですが、そんなことより、願うように「いや、このファイル、実は昨年作成のもので、今年は航行禁止解除になってるんじゃね...?」という妄想なんかしてみたりしかけたのですけれども、2度見して「H30.6」という情報に気づき0.2秒で打ち砕かれた次第です。

 その後あらためて皆様のサイトを見直してみると、昨年下ったかたも、今年の100kmマラソンのサイトも、摩周大橋から標茶まではポーテージということになってます。後日談ですが、標茶で泊まった旅館のかたから「現在あの辺は砂防ダムを建設中のはず」との話もうかがいました。砂防ダムといえば、川幅いっぱいの工事を行うはず。マジこの区間の強行突破は避けたほうがよいかと思います。いやーわたしも学生の頃の怖いもの知らずなアホだったら突撃していたかもしれませんが、いい年こいたおじさんなので少し控えめな人生を送るようになったもんです。安全第一です。

 ということで、旅立ち前から早くも「試される大地」に牙をむかれまくってヒットポイント激減のわたくしでしたが、たたみかけるようにこの後ヤツらは攻撃をしかけてきます。それについては次の記事で。